1.Aari(アーリ)刺繍 〜 インドで始まりヨーロッパへ
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Aari(アーリ)刺繍の起源
Aari work(Aari embroidery アーリワーク/アーリ刺繍)は12世紀にインド北部のバラバンキで生まれたと言われています(諸説あり)。16世紀にムガール帝国の王族に好まれて大きく発展した刺繍です。
アーリワークの伝統的なデザインはペルシャの影響を受けて、草木や花、果物など自然のものが用いられますが、現代では幾何学的なデザインやくり返しパターンも多く見られます。
Aari work(Aari embroidery アーリワーク/アーリ刺繍)は12世紀にインド北部のバラバンキで生まれたと言われています(諸説あり)。16世紀にムガール帝国の王族に好まれて大きく発展した刺繍です。
アーリワークの伝統的なデザインはペルシャの影響を受けて、草木や花、果物など自然のものが用いられますが、現代では幾何学的なデザインやくり返しパターンも多く見られます。
ヨーロッパへ渡ったAari work
アーリワークは18世紀ににペルシャを通じてヨーロッパにもたらされ(ポルトガル人がアーリ職人をインドからフランスに連れて行ったなどの説もあり)、イギリスやフランスにtambour embroidery(タンブール刺繍/タンバーワーク)として伝わりました。タンブール(tambour)はフランス語ではドラムを意味しますが、丸い枠にピンと布や革を張ったものという意味です。楽器のタンバリンの語源もペルシャ語のタンブールだということですから、語源は同じなんですね。
フランスではパリの北に位置するBeauvais(ボーヴェ)で18世紀中ごろから発展し、ルイ15世の時代にポンパドール婦人に非常に愛され、Point de Beauvais(ポワンドボーヴェ/ボーヴェ刺繍)と呼ばれるようになりました。ポワンドボーヴェは主に糸のみの繊細なチェーンステッチで植物モチーフを刺す刺繍です。
<追記>19世紀半ばにはBourg-le-Roiに
ポワンドボーヴェの大規模な工房ができ、1968年に閉鎖されるまで続きました。現在は博物館となり、ポワンドボーヴェのワークショップも行われているそうです。
また、19世紀初頭よりluneville(リュネビル)地方で発展したものは、Point de Luneville(ポワンドリュネビル/リュネビル刺繍)と呼ばれ、現代ではオートクチュールの刺繍にも用いられています。
アーリワークは18世紀ににペルシャを通じてヨーロッパにもたらされ(ポルトガル人がアーリ職人をインドからフランスに連れて行ったなどの説もあり)、イギリスやフランスにtambour embroidery(タンブール刺繍/タンバーワーク)として伝わりました。タンブール(tambour)はフランス語ではドラムを意味しますが、丸い枠にピンと布や革を張ったものという意味です。楽器のタンバリンの語源もペルシャ語のタンブールだということですから、語源は同じなんですね。
フランスではパリの北に位置するBeauvais(ボーヴェ)で18世紀中ごろから発展し、ルイ15世の時代にポンパドール婦人に非常に愛され、Point de Beauvais(ポワンドボーヴェ/ボーヴェ刺繍)と呼ばれるようになりました。ポワンドボーヴェは主に糸のみの繊細なチェーンステッチで植物モチーフを刺す刺繍です。
<追記>19世紀半ばにはBourg-le-Roiに
ポワンドボーヴェの大規模な工房ができ、1968年に閉鎖されるまで続きました。現在は博物館となり、ポワンドボーヴェのワークショップも行われているそうです。
また、19世紀初頭よりluneville(リュネビル)地方で発展したものは、Point de Luneville(ポワンドリュネビル/リュネビル刺繍)と呼ばれ、現代ではオートクチュールの刺繍にも用いられています。
現代での位置づけ
タンブール刺繍やポワンドボーヴェが現代では趣味的な位置にあるのに対し、リュネビル刺繍やアーリワークは現代でも職業的な位置にあります。
その理由は、両者がビーズやスパンコールなど多種多様な素材を扱い、効率的に布に装飾を施すことができるテクニックであり、現代でも需要があるからでしょう。
しかし、現代ではオートクチュールのための刺繍の多くは人件費の安いインドの工房で行われており、その職人のほとんどは男性です。
アーリワークは作業の全てを布の表側からすることができ、短時間で多くの面積を刺繍するための技術です。
近年、インターネットと物流の発達によりアーリワークの道具や材料が手に入りやすくなりました。
インドでもオンラインレッスンが盛んに行われ、実益と趣味を兼ねて多くの女性がアーリワークを楽しんでいます。
タンブール刺繍やポワンドボーヴェが現代では趣味的な位置にあるのに対し、リュネビル刺繍やアーリワークは現代でも職業的な位置にあります。
その理由は、両者がビーズやスパンコールなど多種多様な素材を扱い、効率的に布に装飾を施すことができるテクニックであり、現代でも需要があるからでしょう。
しかし、現代ではオートクチュールのための刺繍の多くは人件費の安いインドの工房で行われており、その職人のほとんどは男性です。
アーリワークは作業の全てを布の表側からすることができ、短時間で多くの面積を刺繍するための技術です。
近年、インターネットと物流の発達によりアーリワークの道具や材料が手に入りやすくなりました。
インドでもオンラインレッスンが盛んに行われ、実益と趣味を兼ねて多くの女性がアーリワークを楽しんでいます。